章立てを見直してみよう①


こんにちは、顧客サポートの山下です。
弊社ではレポートや論文の作成だけでなく、添削のご依頼も多く承っております。多くの方々がまず最初につまづきやすいのが章立てです。

不合格をもらうレポートの多くで共通しているのが、次のような章立てです。

① そもそも章立てが作られていない。
② 章や節に見出しが無く、数字が振られているだけ。
③ 1.はじめに 2.○○の歴史 3.○○の変遷 4.考察 5.おわりに
  …のように歴史の説明文になっている。
④ 章や節が細かくつけられすぎていて、1つの章がたった数行の文章になっている。

なぜこのような章立ては分かりにくいのでしょうか?
そもそも章立てとは何のためにあって、どのようなものが良いのでしょうか?
章とは何なのでしょうか?

少しイメージを掴んで頂くために、論文からちょっと話をずらして、本で考えてみましょう。例えば本屋さんである本が目に留まり、どんな事について書いてあるのかな…と目次を見ますよね。そもそも目次が無い場合は何ページに何が書いてあるのかがわかりません。数字しか振られていない場合も同様です。これがダメなのはわかりやすいですよね。手に取った瞬間、棚に本を戻すでしょう。

では、「説明文」になってしまっていて「論文」になっていない章立てとはどういう事でしょうか?そもそもこれは論文とは何なのかが分かっていないとつまづいてしまうポイントです。

歴史や、今までどのような経緯を辿ったのかという事実を書くだけでは説明文、調べた内容を書くだけのレポートになります。しかし、そこから何が読み取れるのか、その内容を踏まえて今後どのようにしていくべきなのか、どのような事が予測できるのかというご自身の主張を根拠に基づいて論じていくと論文になります。

例えば環境問題というテーマで論文を書く場合、日本の環境問題の現状、現状に至るまでにどのような問題が起こりどのような解決策がとられてきたのか、そして果たしてそれが実際に解決に繋がっているのかどうかをデータを見たり調べていきますよね。ここまでは事実を並べているだけです。既に起こった事実についてそれを否定する事はできません。議論する余地が無いのです。

更にここから、他の国で実践されている環境問題対策を調べ、日本が実践できるものがあるかを検証していったとします。調査、分析をした結果「日本でも実践できる」「いや、日本では実践できない」と意見は人により分かれるでしょう。更に、「実践するにはこのような問題をクリアしないといけない」「いや、それより着目するべき点はここだろう」と、様々な見解が出てきます。

このように答えの無いテーマに対して答えを探していく、こうではないかと仮説を立てて検証するものが論文です。「自分は日本の環境問題を解決するためには諸外国でも成功しているこの方法からヒントを得るべきだと思う。」という自分の主張を「なぜそう思うのか?」「何を調べてそう思ったのか?」「何を根拠にそう言えるのか?証拠は?」という質問に対して答えられるように説明していきます。そのためには資料を多く集め、「このデータからはこういう事が言える。」「著名な研究者の○○はこう言っている。」と、論破されないように説得力がある説明ができるようにしましょう。

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