章立てを見直してみよう②


こんにちは、顧客サポートの山下です。
前回の記事で添削が必要な章立てに多い例を紹介しましたが、では論文の章立てを実際に立てる事を想定して章立てを考えてみましょう。

例えば、「日本の小中における飛び級制度の導入に対する一検討」というテーマで執筆するとします。

【章立ての作成例】

はじめに
第一章 アメリカの飛び級制度
第二章 日本の飛び級制度
第三章 日本における進学校・英才教育の現状
第四章 学習環境と学力
第五章 飛び級受け入れが日本の学校にもたらす問題点
第六章 考察
おわりに
参考文献リスト

最初に既に飛び級制度が積極的に導入されているアメリカについて説明し、それに対して日本ではどうなのか?と調べた内容を書いていきます。そこまでは簡単ですよね。ではここから何を書けばいいのだろうか…と悩まれる方が沢山いらっしゃいます。

では、飛び級について考えてみましょう。
日本では飛び級制度は一般的ではないけれど、「英才教育」という言葉はよく聞きます。進学校も多く、学力重視であると考えられるけど、実際のところ天才児教育、英才教育は日本でどの程度意識されているのか?どの程度英才教育で学力が上がっているのか?飛び級の必要性が高まっているのではないだろうか?飛び級の必要がある生徒が、実際の学力よりも低い学年で学習する事によって折角の学力が低下する事はないのだろうか?
…このように、このテーマに対して様々な疑問が湧いてきますよね!それらの疑問に対する答えを根拠のある資料を探し、書いていきます。すると、「飛び級はやっぱり必要だ!」という考えや、「いや、必要無いだろう」または「必要があるが、こういう条件の場合にのみ必要」等の様々な結論が出てきます。自分が一番「これだ!」と思う結論を、根拠を並べて証明していくと、説得力のある論文ができあがります。

自分の恋愛観について友達に話すときと同じような感じですよ!
「お金持ちと結婚した方が幸せになれる」「お金より顔でしょ!イケメンと結婚した方が幸せになれる」そんな二つの意見を友達とぶつけ合わせている時、「だって、お金があるってことはそれだけ仕事ができるって事でしょ?仕事で認められてるって事は人脈もあるし、人間関係がうまくとれて、沢山の人に慕われてるわけじゃない?きっと何でも要領よくこなすし、育児とか家事もそつなくこなせちゃいそう」「いやそんな事ないよ、お金持っている人はだいたい性格が悪いって決まってるの。どうせ女がいっぱい寄ってくるから浮気してるだろうし…」

…こんな会話、ありきたりですがよく聞きますよね。
でもこれではただの憶測を話し合っているだけにすぎません。ここに「根拠のある証拠」を持ってくるんです。「○○の研究で、お金と浮気の関係についてこんな結果が出てる!」「人間の相性については○○先生がこんな研究をしていて、こんな事を言ってる!」といった、著名な研究者の行った根拠のある研究結果が自分の言っている事を裏付けて、確かに正しい考えなのだと証明してくれます。

こんな友達の会話ならいくらでもできちゃうし、結婚はお金かイケメンかなんて楽しいテーマだとどんどん調べちゃいますよね。「卒論のテーマは何でも良いや」「適当に楽そうだから興味が無いゼミ選んじゃった」「先生に言われてこのテーマにしたけど正直全く興味が無い」といった方からの相談が多く寄せられますが、自分が面白い、もっと調べたい、知りたいと思うテーマの方が遥かに書きやすくてしんどくないですよ!テーマ選びからしっかりと考えていきましょう。

章立てを見直してみよう①


こんにちは、顧客サポートの山下です。
弊社ではレポートや論文の作成だけでなく、添削のご依頼も多く承っております。多くの方々がまず最初につまづきやすいのが章立てです。

不合格をもらうレポートの多くで共通しているのが、次のような章立てです。

① そもそも章立てが作られていない。
② 章や節に見出しが無く、数字が振られているだけ。
③ 1.はじめに 2.○○の歴史 3.○○の変遷 4.考察 5.おわりに
  …のように歴史の説明文になっている。
④ 章や節が細かくつけられすぎていて、1つの章がたった数行の文章になっている。

なぜこのような章立ては分かりにくいのでしょうか?
そもそも章立てとは何のためにあって、どのようなものが良いのでしょうか?
章とは何なのでしょうか?

少しイメージを掴んで頂くために、論文からちょっと話をずらして、本で考えてみましょう。例えば本屋さんである本が目に留まり、どんな事について書いてあるのかな…と目次を見ますよね。そもそも目次が無い場合は何ページに何が書いてあるのかがわかりません。数字しか振られていない場合も同様です。これがダメなのはわかりやすいですよね。手に取った瞬間、棚に本を戻すでしょう。

では、「説明文」になってしまっていて「論文」になっていない章立てとはどういう事でしょうか?そもそもこれは論文とは何なのかが分かっていないとつまづいてしまうポイントです。

歴史や、今までどのような経緯を辿ったのかという事実を書くだけでは説明文、調べた内容を書くだけのレポートになります。しかし、そこから何が読み取れるのか、その内容を踏まえて今後どのようにしていくべきなのか、どのような事が予測できるのかというご自身の主張を根拠に基づいて論じていくと論文になります。

例えば環境問題というテーマで論文を書く場合、日本の環境問題の現状、現状に至るまでにどのような問題が起こりどのような解決策がとられてきたのか、そして果たしてそれが実際に解決に繋がっているのかどうかをデータを見たり調べていきますよね。ここまでは事実を並べているだけです。既に起こった事実についてそれを否定する事はできません。議論する余地が無いのです。

更にここから、他の国で実践されている環境問題対策を調べ、日本が実践できるものがあるかを検証していったとします。調査、分析をした結果「日本でも実践できる」「いや、日本では実践できない」と意見は人により分かれるでしょう。更に、「実践するにはこのような問題をクリアしないといけない」「いや、それより着目するべき点はここだろう」と、様々な見解が出てきます。

このように答えの無いテーマに対して答えを探していく、こうではないかと仮説を立てて検証するものが論文です。「自分は日本の環境問題を解決するためには諸外国でも成功しているこの方法からヒントを得るべきだと思う。」という自分の主張を「なぜそう思うのか?」「何を調べてそう思ったのか?」「何を根拠にそう言えるのか?証拠は?」という質問に対して答えられるように説明していきます。そのためには資料を多く集め、「このデータからはこういう事が言える。」「著名な研究者の○○はこう言っている。」と、論破されないように説得力がある説明ができるようにしましょう。

新たなスタートの季節


こんにちは、お久しぶりです。顧客サポートの山下です。

新入学生の皆様、新社会人の皆様、おめでとうございます!!

今年は桜の開花が遅く、気温もやっと暖かくなってきたなぁというところですね。桜もやっと満開に近づいたところで雨天が続きそうで今年は少し残念です。お花見は花より団子な私ですが、桜があるからこそ皆で集まってお喋りして美味しいものが食べられるのだと思うと、やっぱり桜は心を癒してくれるお花ですね。

さて、春休みをまだまだ満喫していたい気持ちが残っているかと思いますが、早速新学期が始まりお仕事も始まってドキドキ、ワクワクする日々が始まっているかと思います。大学3年生の多くは既に「ゼミ」「卒論」の話題が出てきているのではないでしょうか。まだまだ卒論は年末の事、のんびり決めたらいいと思っていると、あっという間に夏休みになってしまいますよ!夏休みを有意義に過ごすためにも、計画性をもってまずはテーマ選びを始めましょう。

新入社員の方の中には入社して早速レポート提出の課題を出された人もいるかもしれません。やっとレポートや卒論から解放されたのに!と思う方もいるかもしれませんが、社会人になってからも学生時代に書いたレポートや卒論のスキルは大きく役立ちます。論理的な考え方、説得力のある説明やアピールができるようになります。

皆様が良いスタートを切りだせるように、書ける屋もスタッフ一同、サポートさせて頂きます。躓いてしまった時はお気軽に、お早めにご相談下さいませ!